#働き方改革で優秀な人材が集まってきた話 [書き起こし]
先日、名古屋商工会議所さん主催の「働き方改革研究会」にて、Misocaのリモートワークやパフォーマンスを最大化するための取り組みについてお話しさせていただきました。
Misocaでは、私が入社した時からリモートワークが当たり前の環境で、普通の会社ではなかなかできないことが当たり前のように行われていたので、「改革」という意識すら持たず過ごしてきました。
でも、発表した内容に対する反響の大きさから、「働き方改革」に対する関心や問題意識は高いのだなと感じました。
今回、少しでも多くの方の役に立てばと思い、その時の発表スライドを抜粋してここに記します。
「働き方改革で優秀な人材が集まってきた話」に加えて、パフォーマンスを最大化するためにこれまでMisocaがやってきたことを全力でお話します。
この写真は3年前のMisocaメンバーです。
これが今です。2倍以上の人数になりました。
現在社員は22名で、そのほとんどがエンジニアです。本社はここ名古屋で、島根県松江市にもオフィスがあります。でも、オフィスがないエリアを含め全国に社員がいます。
それは、弊社がリモートワーク(テレワーク)を採用しているからです。
朝誰もオフィスにいなくても、普通に会議がはじまる。そんな環境です。
なぜリモートワークを採用しているのか?は、これに尽きます。
Misocaでは「なにをつくるか」ということと同じぐらい「どんなチームでどのように作るか」ということを大事にしています。そのためにはMisocaの文化にマッチし、一緒により良いチームを追求できる人と働きたいです。なので、働く場所の優先順位はとても低いと考えています。
リモートワークのメリットは色々ありますが、4つ目が私にとって一番大きいです。
出産・子育・介護により止むを得ず退職・休職することを選択せざるを得ないことがあります。いつでも戻れるように制度を整えている会社さんは多いですが、社会と断絶される数ヶ月・数年のブランクは、復帰後の助走にかなり時間を要します。
再就職しやすい環境を整備するよりも、「働き続ける選択肢も欲しい」と出産するたびに思っていました。リモート制度があれば、あの苦しい思いをする時間は減っただろうなと今となっては思います。
フルリモート制度を採用しているというとよく聞かれる質問があります。1つずつみていきましょう。
Misocaでは残業はほぼありません。月平均42分です。有給取得率も高めでワークライフバランスは抜群です。社員はみな疲弊することなく、意欲的に仕事に取り組み続ける事が可能です。
Misocaでは、1週間1サイクルでまわしており、最初にプランニングをしてこの1週間のゴールを決めます。そして1週間がおわったら振り返りをして、1週間の検証をしますので、サボり続けることはできないですし、進捗も把握しやすい状況になっています。
また、「今やっていること」や「困っていること」を都度 発信する文化なので、困ることはありません。どんな風にやっているかはまたのちほどご紹介します。
状況によりますが、通常の仕事をする上ではほぼ気になりません。むしろ、以前より、リモートで仕事している今の方が情報量は多いです。
状況によると申し上げましたが、例外はあります。複数名、割と大勢が参加する会議でリモート参加が1人だけ…となると、情報格差は広がる傾向にあります。人は無意識のうちに、会話している人に目を向け、表情から多くの情報を読み取ってるからです。
Misocaでは、そういう時はオフィスにいる人も全員リモートで参加するようにしています。画面で1人1人の顔が見られるので情報格差が発生しにくくなります。
「全く同じ」にはなりませんが、少しの工夫で大幅に改善することができます。
Misocaではプロジェクトの開始時に、プロジェクトの目的や、優先順位などを取り決める「インセプションデッキ」というものを必ず作ります。最初にあらゆることを合意しておく事で、確認待ちや承認待ちといった時間をカットしています。
「全員がリモートワーク可能であること」
Misocaでは遠方の社員だけではなく、全社員が自由にリモートで働くことができます。一部の人のみが対象となる制度にすると改善がされにくかったりします。
「リモート・非リモートで仕事や役割を変えない」
オフィスだから、フルリモートだからという理由で仕事をわけてしまうと、その人本来の力を十分に引き出せなかったり、モチベーションの低下につながるからです。
「リモートで仕事をすることを前提に環境を整備する」については次で詳しく説明します。
リモートワークするときは常時ビデオ会議システムに繋げておくというのがルールになっています。話すときだけ繋げるとするよりも、このほうが距離が近く感じるからです。これによりリモートからオフィス、オフィスからリモートにも「◯◯さん、ちょっといいですか?」というように同じ部屋にいるように話しかけることができます。
これはオフィス全体が見渡せるカメラからの画像です。リモートからオフィスに誰がいるかわからないと困ることが多かったので、オフィスには部屋全体が映るカメラも設置しています。世の中にはリモートの人を監視するソリューションがあったりするそうですが、Misocaではリモートの人がオフィスを監視しています。
マイクとスピーカーの質がコミュニケーションの質や生産性に直結するので、これまで試行錯誤を繰り返してこれに落ち着きました。
Misocaを開発するために採用している技術だけではなく、あらゆる面でクラウドツールを活用しています。この中から、主要なものだけピックアップして事例を交えてご紹介します。
まず、同期型コミュニケーション。これは口頭でのやりとりですね。
先ほどご紹介した通り、朝会や打ち合わせ、 その他ちょっとした同期的コミュニケーションはZoomというビデオ会議システムを使っています。画面共有ができたり、録画ができたりするので便利です。社内のやりとりだけではなく、面接や社外の方との打ち合わせもオンラインで行うことが多いです。
次は、チャットツールを用いたテキストでのやりとりです。
Misocaでは業務連絡、仕様の相談、雑談、あれやこれやをSlackというチャットツールを使ってこなしています。口頭で話した内容でも必ずslackにログを残すなど、その場にいなくてもキャッチアップしていけるようにしています。
Twitterのように個人が自由に発信する個人部屋もあり、一緒にいなくても誰が今何をしているのか?を拾いやすくなっています。
次に、情報共有の方法です。
Misocaではesaという情報共有ツールを日報や議事録・マニュアル・仕様のまとめに活用しています。カテゴリー整理ルールを決めて、必要な情報に誰でも迷わずアクセスできるようにしています。
これはとある日の私の日報です。
まず最初に「今の気持ち」を書くようになっていて、この日はあとポエムがありますが、「困ったことや相談したいこと」「 他、お知らせしておきたいこと」を書く欄もあります。この次にようやく、今日やったことや明日やることを書くようになってます。各投稿にコメントが付けられるようになっていて、コミュニケーションも活発なので「日報が形骸化する」みたいな状況になりにくいです。
タスク管理などは、Trelloというアプリケーションを利用しています。
付箋を活用してTODO管理やブレインストーミングを行っている会社さんも多いと思いますが、それをそのままTrelloで行うことができます。この画像は毎週全員でやっている「ふりかえり」のボードです。[良かったこと][よくなかったこと][試したいこと]をみんなで書き出して共有して、改善に必要なものなどあればアクションへ移していきます。付箋だと書き足すのは限界がありますが、Trelloのカードだといいねと押したり、コメントを書いたり、画像を貼ったりすることもできますし、非常に便利です。
もちろん、リモートワークを導入すれば全てが解決するわけではなく、先に述べたような工夫や文化作りが必要です。一部しかご紹介できませんでしたが、どんな風にやっているかについてもう少し詳しく聞きたいという方がいらっしゃいましたらいつでもお声がけください。
リモートワークを導入しなくても、生産性向上につながる取り組みとして、今日お話しした情報が少しでもお役にたてば嬉しいです。